2008年12月26日
資金繰りを困窮化させる経営・財務上の課題解決
弊社にご相談に来られる企業経営者の方々と面談させていただき毎回驚かされることは、資金繰り実績表は何とか作成されていても資金繰り計画表を作成されていない企業様がたいへん多いということです。これでは、地図なく見知らぬ外国をさまよっているようなものです。
企業は常にゴーイングコンサーンであるべきで、”勘定合って銭足らず”で正に黒字倒産では困るわけです。
企業は創業から営業が順調に推移すると当然に資金不足が生じてきます。
これには、いくつかの不変の理由があります。
@売上が立ってくるにつれ、販売先への掛売り(売掛金・受取手形)が増えてきます。
売上をもっと伸ばそうとすると、仕入れを相当に増やす必要が出てきます。
掛売りの売上金を受け取る前に仕入れの支払いが回ってくると、資金は不足しがちです。
時にはマイナスの可能性も出てきます。
その折に資金ショートをおこさないためにも新たな資金調達が必要です。
A業務が伸びてくると作業する人手が必要です。
いろんな工夫(人件費を極力固定費化せずに変動費化できるように努力する)は必要ですが、人件費が運転資金不足をおこす可能性は非常に大です。
Bその他、在庫を備蓄する倉庫費用、手狭による事務所・店舗転費用および家賃支払い増大費用等多義にわたります。
どの時点で資金ショートが起きてしまうのか、またどのタイミングで新たな資金調達が必要なのか、さらに適切な資金調達方法は何かと計画を立てるためにも資金繰り計画表の作成は必要不可欠です。
さて、中小企業の資金調達方法は銀行からの調達以外にどんなものがあるでしょう?
@すでにご紹介させていただいた政府系金融機関による各種融資、または地方公共団体の制度融資(但し、銀行を窓口に行うものがほとんどです)
A社債、私募債(少人数私募債を含む)
B第3者割当増資、株主増資等です。
上記方法のうち@を除くと現実性があるものはかろうじて少人数私募債くらいです。
やはり、中小企業の資金調達は銀行中心と言わざるを得ません。
これを念頭に、銀行融資を引き出す方法として決算書等の過去の数字が芳しくなければ、将来の展望・数字を上記の資金繰り計画表と合わせて以下の書類をご用意ください。
@事業計画書(月次一年分、年次5年分)
A資金繰り実績・計画表
B金融機関別取引推移表
C借入明細表
D資産状況一覧表
E仕入先・販売先概況表
経営者自身が、数字で将来のビジョンが語れるように準備してください。
過去はどうあれ、信憑性ある将来ビジョンをいかに説得力ある言葉(数字)と書類で示せるかが、資金調達成功の秘訣です。
2008年12月11日
平成20年12月10日より「原材料価格高騰対応等緊急保証」の指定業種が80業種新たに追加されました。
中小企業信用保険法第2条第4項第5号の特定業種指定についてhttp://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/download/081205ListGyoushu80.pdf
エステティックサロン、スイミングスクールも業種追加されましたので ぜひご確認ください。
また、いくつかの業種を兼業で事業運営されている方で、その全部が業種指定されて なくても、主たる事業が指定業種である場合はこの制度が利用できるようになりまし た。
諦めないでトライしてみましょう!
2008年12月01日
よくある間違いA
弊社に相談に来られるお客様の決算書を拝見しながらお話を伺っていますとよく目が止まってしまうのは、せっかく過去には数行の銀行とバランスよくお付き合いされていたのに借り入れをどこか1行(これが新規取引銀行の場合は特に問題です。)にまとめてしまっているケースです。理由は以下の通りです。
1.毎月の返済金額を楽にしたい。
2.1行でまとめた方が便利。
過去に数行との取引で、マル保、プロパー合わせて数口に分けてその都度必要な時に借り入れをおこしてるから元金返済が大きく膨らんできます。
その結果、返済のための借り入れ(借りては返し、返しては借り)の状態になってしまい、ついどこかの銀行の「1本にまとめると返済が楽になり、数行との取引の煩わしさから解放されますよ」という誘惑に負けてしまいこういった間違いを犯します。
当然、毎月の返済金額を、借換えによって減額することができます。
しかし、
毎月返済の減額を計画的に行うなら同じ銀行で行いうべきです。
例えば、A銀行に1.5億円の借入があるとします。
その明細が(ここではプロパー融資かマル保かは考えないこととします。) 以下の通りとします。
9,000万円 残り返済回数30回 毎月300万円返済
4,000万円 残り返済回数20回 毎月200万円返済
2,000万円 残り返済回数10回 毎月200万円返済
合計、毎月700万を返済しています。
これを、3,000万円上乗せして1.8億円で全部を借換えし、返済回数を60回と すると、毎月返済金額は300万円となり、借換えの効果が出ます。
(この場合、条件変更とみなされ格付が下がる可能性もありますので、そうならないようあらかじめ銀行と話合っておきます。)
このように、借換えは同じ銀行内で行うべきです。
なぜなら、借換えにより別の銀行の融資を返済すると、その別の銀行としては、おもしろくないからです。
他行に借換えられるのは、その銀行にとっては「恥」です。(その銀行がその企業に対して「回収方針」であれば別ですが。)
銀行に、企業がケンカを売ることになり、その銀行との関係が悪化します。
また、「融資を受ける銀行は集約した方がよい。」ということを言う経営者がいますが、融資を受ける銀行は、できるだけ多くすることが基本です。
理由は、
・1つの銀行が1社に対して融資できる量は、リスク分散の観点から限りがある。
・1つの銀行だけだとその銀行が融資を渋った時に打つ手がなくなる。
(融資を受けていない銀行に申し込む手がありますが、新規先に対しての銀行の審査は厳しいです。既存の銀行で融資を渋られた事態になっているのであればなおさらです。)
また、
「現在A銀行で1.5億円、B銀行で1.0億円、C銀行で0.5億円の借入があるが、この3行の借入を、どこか1つの銀行で1本化したい。」
という話をするのは、そのほとんどが、資金繰りが厳しい状況に陥っている企業です。
資金繰りが厳しい企業は、全部の借入をまとめて1本化して、返済を楽にしよう、と思うのでしょう。
しかしここで考えるべきは、
まず、絶対に既存の銀行で新たな融資が受けられないか、あたってみるべきなのです。

